振動応答習得機(1号機)による振動実験

映像放映中

担当:武蔵工業大学 教授
         吉 川 弘 道
         菊池 / 依田

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構造物の動的な振動応答性状は、力学問題のなかでも理解しにくい領域である。このような場合、感覚的/直感的な理解と素養が不可欠である。
 ここで紹介する振動応答習得機は,手動にて振動架台を揺すり、その上にある構造模型の動的な応答を観察/体得するものであり、それ故、「習得機」なる名前を命名した。これは、土木/建築における地震をうける構造物の応答解析/耐震設計の基本となる。
振動応答習得機(1号機)は,前後にスライドする架台(基礎部に相当)に3つの差込み箇所を設けている。この差込み部にマスバネモデルを差込み/固定し、適当な強さと周期の振動を手動にて与えるものである。ここでは、1質点をモデル化した振動子を3つ作成し、装着したものである。これらは、質量は同じであるが、装着位置が異なり、従って片持ち式梁の高さが異なり、このため固有振動数(または固有振動数)に差異が生じる。
 本機の大きな特徴は、直接手動にて振動(動揺)を与えること、およびセットする部材を各自で設計/試作することであり、動的な振動応答に関する工夫と応用が期待できる。

scene 1

まず、3つの振動子を装着した静止状態。片持ち梁式の1質点1自由度モデルである。
向かって右端の振動子は、高さが最も高く、従って最も長周期となり、順に中程度の周期、短周期と呼ぶ。ちなみに、1質点系の振動子の固有周期は、T=2π√m/kで与えられる。(ここで、m:質量、k:バネ定数である)

scene 2
手動にて振動架台を揺すり、意図的に右端の振動子を共振させている。この場合、ゆっくりした振動を与えているが、目標の振動子の固有周期と同じ周期、逆位相の振動を与えることにより、特定の振動子のみを共振させることができる。



scene 3
今度は、中央の振動子を共振させている。共振させた振動子のみが激しく振動し、両側の2つは、ほぼ静止状態を維持している。前述のとおり、目標の振動子(中央)の固有周期と同じ周期、逆位相(手動による外力と応答の位相差が180°)の振動を定常的に与えると、中央子のみの共振が持続される。



scene 4
向かって左の振動子を共振させている。
以上の3つの強制振動は、線形振動理論における、‘強制外力(調和外力)による定常振動’を実演したものである。

scene 5
今度は、手動による外力をランダム振動(地震動を想定して)を与えた。この場合、振動子はそれぞれバラバラに動きを呈する。これは、実際の地震時における構造物の揺れ(動的応答)を模擬したものである。